生活習慣が大きく影響する2型糖尿病の発症予防や進行抑制には、肥満の状態を改善し、体重管理を行うことも重要になります。この肥満を解消したり、防止したりするために行われる食事のカロリー制限は、適切に行うことで慢性炎症を防ぎ、糖尿病や高血圧、その他さまざまな疾患の発症を抑制できることが明らかになりました。
カロリー制限食で慢性炎症のマーカーが減少
これは、米・タフツ大学の研究によって明らかになったものです。得られた研究成果は大学により発表されたほか、「Aging」誌に掲載されました。研究に参加したのは、20歳~50歳の平均年齢38歳、BMIが25の標準と判定された、健康な成人220人です。
研究チームは、彼らを2つのグループにランダムに分け、片方の群には25%のカロリー制限を行ったメニューでの食事を摂取してもらい、もう片方の群には通常通りの食生活を送ってもらいました。
カロリー制限食は、ビタミンやミネラルが過不足なく摂取できるよう調整されたメニューで、食事量が減少したことによるストレスがかかりにくいよう、満足感を得やすい工夫を施したものとしました。比較する際に差が生じることを防ぐため、通常食の群には、ビタミンやミネラルのサプリメントも服用してもらい、栄養素はともに十分摂れた状態としています。
この状態で観察を続け、12ヵ月後と24ヵ月後に採血検査を実施、C反応性蛋白やTNF-α、ICAM-1、レプチンといったインスリン抵抗性やがんなどとも関連する、慢性炎症の状態を見るマーカーの測定を行いました。
すると、カロリー制限食を摂取した群で、これらのマーカー物質が有意に減少することが確認され、とくにC反応性蛋白やTNF-αでは40%~50%も少なくなることが分かりました。インフルエンザなどの各種ワクチンを接種した後における、発熱といった副反応も起こりにくくなっていることも判明し、カロリー制限が慢性的な炎症を防いで、体内の老化を防止、健康な状態を保ちやすくすることが確認されたと結論づけられています。
バランスよく、食べ過ぎに注意して健康に!
高カロリーな食生活を続けていると、肥満につながる高血糖状態が直接的に糖尿病を招くだけでなく、慢性炎症という観点からも発症リスクが高まり、体内老化も進めてしまうことが示唆された研究と言えるでしょう。
慢性炎症は血管を傷つけ、動脈硬化や心筋梗塞、腎臓病などの発症リスクを上げることも判明しています。これらは糖尿病の合併症としても深刻な疾患であり、あわせて予防に努めていかなければなりません。
もちろん過度のカロリー制限は健康に寄与するものではなく、必要な栄養素の不足によって健康を害することにもつながってしまいます。日々の食事をバランスよく、食べ過ぎに注意して、適度な運動を取り入れながら、カロリーの過剰摂取を防いでいくことが重要ですね。
(画像はイメージです)

Tufts Now : Moderately reducing calories in non-obese people reduces inflammation
http://now.tufts.edu/news-releases/Aging : Long-term moderate calorie restriction inhibits inflammation without impairing cell-mediated immunity : a randomized controlled trial in non-obese humans
http://archive.impactaging.com/papers/full/100994