高いHbA1c低下効果をもつ、DPP-4阻害剤のサキサグリプチンとSGLT2阻害剤のダパグリフロジンの配合剤となる、英国・アストラゼネカの「Qtern」錠が、2型糖尿病治療薬としてEU加盟国の全28カ国およびアイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェーで承認を取得し、注目を集めています。
血糖コントロールが不十分な患者に新しい治療選択肢
アストラゼネカが現地時間の19日、同社の日本法人が25日に発表したところによると、「Qtern」は欧州で承認された最初のDPP-4阻害剤/SGLT2阻害剤配合剤になるといいます。適応は、18歳以上の2型糖尿病患者で、メトホルミンおよび・またはスルホニル尿素剤の治療に、サキサグリプチンまたはダパグリフロジンが併用されているにも関わらず、血糖コントロールが不十分な場合、もしくはすでにその患者さんがサキサグリプチンとダパグリフロジンの併用治療を受けている場合の投与となっています。
承認は、欧州医薬品庁に提出された2型糖尿病における3試験の結果に基づいており、このうちの2つの試験では、「Qtern」とメトホルミンの併用が、プラセボ投与群に比べ、統計学的に有意なHbA1cの低下を示すと確認されています。
また別の試験では、「Qtern」とメトホルミンの併用により、サキサグリプチンあるいはダパグリフロジンの単剤それぞれとメトホルミンの併用に比べ、有意なHbA1cの低下が認められています。いずれの試験でも「Qtern」の安全性プロファイルは、サキサグリプチンおよびダパグリフロジンですでに知られている安全性プロファイルと同様でした。
高血糖による合併症リスクの軽減を目指して
2型糖尿病患者では、その半数近くが治療目標に到達できておらず、高血糖による合併症発症リスクが高いままとなっていることが知られています。アストラゼネカでは、今回欧州で承認された「Qtern」が、その高いHbA1c低下効果によって、多くの患者がより目標を達成可能となる手助けになるとし、新たな治療選択肢として期待されるとしています。
現時点で日本における「Qtern」の開発などは行われていませんが、これに配合されているダパグリフロジンは、「フォシーガ」の製品名で発売されています。これは腎尿細管でのグルコース再吸収を制御するナトリウム・グルコース共輸送体2に対し、選択的かつ可逆的に働く阻害剤で、血液中の過剰なグルコースを尿とともに体外へ排出させて血糖を低下させます。
日本を含め、世界75カ国以上で承認された2型糖尿病治療薬で、この適応を得た世界初のSGLT2阻害剤として知られています。現在、17,000人以上の心血管リスクが高い2型糖尿病患者を対象とした、心血管イベントの影響を評価する臨床試験も進行しているということで、こちらの結果も注目される薬剤となっています。

AstraZeneca プレスリリース(英語)
https://www.astrazeneca.com/media-centre/2016/アストラゼネカ株式会社 プレスリリース(日本語)
http://www.astrazeneca.co.jp/media/20160725