2型糖尿病患者では、心血管系疾患の発現リスクが有意に高まることから、そのリスクを的確に把握したうえで日常の管理や治療処置を行っていく必要があります。そうした臨床でのリスク管理に関し、重要な知見をもたらす新たな研究報告がなされました。
内臓脂肪の面積と皮下脂肪の面積が重要!
この研究はTatsuya Fukuda氏、Ryotaro Bouchi氏らのグループによって行われたもので、2型糖尿病患者における内臓脂肪と皮下脂肪に着目し、心血管系疾患の将来的な発現リスクとの関連性を検討したものです。成果をまとめた論文は、「Journal of Diabetes Investigation」オンライン版に7月7日付で掲載されました。
研究グループは、今回2型糖尿病患者682人を対象として、この調査研究を行っています。被験者の平均年齢は64歳、41%が女性でした。腹部CT検査を受けてもらい、それぞれ内臓脂肪の面積と皮下脂肪の面積を測定、デュアル生体インピーダンス解析(BIA)により、評価を行ったそうです。
被験者らはこの評価による内臓脂肪面積と皮下脂肪面積の比率によって4分位、4つのグループに分けられました。主要エンドポイントは、心血管系疾患の最初の発現、または再発としています。
その他因子を考慮しても将来リスクと独立して有意に関連
中央値2.5年の調査研究期間中に、被験者のうち21人が心血管系疾患の発現または再発にいたり、エンドポイントに達したことが認められました。
この結果を、内臓脂肪面積と皮下脂肪面積の比率に応じて分類したグループ別で分析すると、より高い値のグループほど発現または再発にいたっている患者が多くなっていました。内臓脂肪面積と皮下脂肪面積の比率は、心血管系疾患の発現による入院または再発と関連し、そのハザード比は1.82、結果に影響を与え得る推算糸球体濾過量や脳型ナトリウム利尿ペプチド、抗血小板薬の使用、心電図R-R間隔変動係数、HbA1c値といった因子によるデータ補整を行っても、有意な関連性が維持されています。
また年齢や推算糸球体濾過量、脳型ナトリウム利尿ペプチド、抗血小板薬の使用、HbA1c値といった従来の注目されてきた因子に、内臓脂肪面積と皮下脂肪面積の比率を追加すると、心血管系疾患発現の予測能が改善することも判明しました。
これらの結果から研究グループでは、デュアル生体インピーダンス解析によって測定された内臓脂肪面積と皮下脂肪面積の比率は、2型糖尿病患者における心血管系疾患の発現に関する独立した予測因子であると認められると結論づけました。
(画像は写真素材 足成より)

Journal of Diabetes Investigation : The ratio of visceral to subcutaneous fat area predicts cardiovascular events in patients with type 2 diabetes
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jdi.12713/full